新しい素材を見つけました
最近新しい素材を見つけて、絵に使っています。
これです!(?)
これは何かというと、
描く時に使っている容器の底に溜まったオイルと絵の具が固まったものです。
この、底に溜まった部分をそっと剥がして使っています。
洗い忘れていたのを再利用しようとして剥がしたら、すごく綺麗に剥がれて発見に至りました。
オイルの配合が多ければ透明感のあるものになるし、逆に少ないとどろっとした濃い感じになります。
このときパキパキになるものもあれば、柔らかくてぷよぷよしているものもあります。
オイルの種類や量、絵の具の成分などによって色々なものが生まれます。
これをそのまま絵に貼り付けています。
この丸い物質は作ろうと思って作っている訳ではないので、その時の乾き具合や配合のバランスで、うまくできる時とできない時があります。
体感だと、速乾性が高く比較的固いシルバーホワイト等を入れると固い塊になり、ワニス系のオイルだとカピカピ固まるイメージでした。
柔らかくて乾きにくい色とオイルで試したら、ゴムのようなブニブニした質感になってしまったので、絵の具の軟らかさにも関係しているようです。
思い通りにいかない偶然性も含めて大好きな素材になりつつあります。
例えば上の写真のような場合だと、側面の素材も絵に使います。
何故かできあがったこれらの物質は、
限りなく自然現象に近いものだと思っています。
化学変化を起こして固まったり重力で変形したり、まるで生き物のように形を変える、
火山や地形の変化、鉱物の生成など、人の力では太刀打ちできない大きな自然の流れのようなものなど、、、
アンゼルム・キーファー
話が変わってしまいますが、
私の大好きな作家に、アンゼルム・キーファー(Anselm Kiefer /1945-)という人がいます。
キーファーの作品には、土や鉛や藁、枯れた花や壊れたガラスなどが使われています。
彼が扱っているテーマは、ナチス、宗教、神話など大きくて重いものが多く、物質性を強調した素材や、耐久性が弱く儚いを使うことで独特の世界観に引き込まれてゆきます。
(大きくシンボリックな作品も好きですが、写真から絵画へ融合しながら移り変わっていく変遷もとても興味深いです)
彼の扱うテーマと結びつける点で、それぞれの素材が作品とマッチしています。
キャンバスに絵の具で描くということを疑わずにいた自分には衝撃的な作品ばかりでした。
実はまだ生で観られたことがなく、いつか本物の作品を見てみたいです・・!
素材の研究
そして、素材をただ見つけて嬉しくて喜んでいてはあまり良くないと思うので、
今回みつけたこの素材を研究して(なんでそうなるか?これから何がいえるか?自然現象は再現できるのか?など)自分の作品に入れていければと考えています。
自分が興味のある、自然現象や化学変化や、宇宙や、そういうイメージに近い可能性を感じています。
なんだか制作の備忘録的なものになってしまいましたが、、
これからも色々な素材を研究しながら制作していきます。
植村遥