ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ

こんにちは。
植村遥です。

横浜のそごう美術館に、
ショーン・タン展を見に行ってきました。

オーストラリア出身の私が大好きな作家さんで、
絵本に出てくるキャラクターがちょっと不気味なんですけど、
とても可愛く感じます。

ショーン・タン

1974年オーストラリア生まれ。幼いころから絵を描くことが得意で、学生時代からSF雑誌で活躍。西オーストラリア大学では美術と英文学を修める。オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプト・アーティストとしての活躍の場を拡げている。約9年の歳月をかけて映画化した「ロスト・シング」で2011年にアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。同年、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞も受賞。

ショーン・タンの世界展 紹介文より

そんなショーン・タンの原画、制作秘話
が展示されていると聞きつけて行ってきました。

場所は横浜のそごう美術館で、最寄は横浜駅です。

会場は一部を除いて撮影禁止です。

前回、訪問したピータードイグ展は撮影OKだったんですけど、
撮影OKの展示ってまだまだレアケースだと思います。

ショーン・タンの作品って、
日常の中に、非日常のキャラクターが溶け込んでいて、
その様子がとてもリアル。

ショーン・タンの作品で、
セミの絵本はもともと持っているんですけど、
強い衝撃を受けたのを覚えています。

セミ

毎日、会社に寝泊まりして、
17年間ずっと会社で生活。

仕事にミスもないし、欠勤もない。

それでも会社では理不尽な扱いを受けて。

それにセミは懸命に耐えて。

17年。

苦節にしても17年は長すぎます。
私だったら、そんなに長く耐えられないと思います。

結末は是非、購入して見てもらいたいんですけど、
絵本なのに子供向けじゃありません。

巻末には、松尾芭蕉の俳句が引用されたりと、
大人が読んで楽しめる絵本だと思います。

閑さや岩にしみ入る蝉の声

Calm and serene
The sound of a cicada
Penetrates the rock

ショーン・タン 絵本作品「セミ」巻末より

絵本作品「遠い町からきた話」に登場するエリック

会場内では、
アカデミー賞短編アニメーション賞を取ったショーン・タンの短編アニメーションが
特別上映されてました。

席数限定で早い者勝ちなので、
会場で見たい方は朝早くに行って予約するのがいいです。

私は枠が空いてる時間が都合つかなかったので、
泣く泣く断念しました。

展示を見てて思ったのは、
ショーン・タンって時間をかけて、
絵本の題材を何年もかけて調べて。

絵本の物語にあった絵の描き方を試めして、
自分の中でしっくりくるものを探す。

そのために、コンセプトの絵、習作、
これらを何回も何回も繰り返して描いて、
構想を練り上げてようやく作品を作る。

インスピレーションが無かったら、
とりあえず筆を走らせてみる。

とってもつらい作業に感じることもあるけど、
その先には楽しいことが待ってる。

こういう風に、制作に取り組めているから、
文字がなくても色んなバックグランドの人達が、
同じように共感できる作品を作れるんだろなと思います。

展示に夢中になってて、気が付いたら2時間も過ぎていました。

鉛筆の下書き、
カラー作品、
習作、
油絵作品、
アクリル作品、

多彩な作品や原画がたくさん展示されていて、
すごく刺激的でした。

人間のキャラクターの頭を描くために、
頭部だけを描いた習作もありました。
皆、ピーナッツみたいに頭が長いんですけど、
それぞれに個性があって、老若男女が描き分けられていて。

展示の出口のお土産コーナーには、
絵本がたくさん売られていて、私も思わず買っちゃいました。

「アライバル」
「遠くの町からきた話」

絵本を2作品買ったので、
読み返して、展示を思い出しながらこのブログを書いてみました。

10月18日(日)まで開催されています。
特設サイトはこちら


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